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こだわり・ひとこと


■皮革の比較

私は「天然なめし」にごだわります!! その理由は


yamasemi
●天然なめし...植物類から抽出した天然の渋(タンニン)を主成分としている

お茶の渋といえば分かりやすいと思いますが大昔から食後のお茶を飲む習慣は今もだれでもが 極く日常の中で飲むことを自然のこととして行っておりますには、やはりそれなりの理由があります。 体の中に摂り入れた食物の中の有害なものを抑える殺菌作用をしていたのです。 このタンニンの主成分は(渋)と呼ばれその構成部にはカテキンと呼ばれ近年には空気清浄機やマスク等に活用されているのが示すように大きな有益性が認められ、 そればかりかヨーロッパの農家の一部では農薬の代りにこの天然渋でなめされたタンニン皮革を細かく切り集め土壌改良に使われており、 正に有機的に働き、より良い土に帰ることと焼却しても無公害と言うこの事が何より地球に優しい、環境に、人に優しい、これ程の皮革素材は無いと思うのです。

●化学なめし...重金属「三価クロム」により鞣されているいわゆるクロムなめし

工程コストが短縮化され、利便性の追及と研究の進歩により安価な皮革を大量生産を可能とし 現実は、大変残念な事に世界中の使用量はゆうに90%をはるかに超えるに至っており時折、私共へのご相談の中にアレルギー性 の発疹と医師に診断されて金属アレルギーと知って驚く方がお見えに成りますが、その通りこれはクロム皮革による影響が如実に顕在化した例と言えます。 又、焼却処分の際、程度の差は有るものの有害ガスとして空気中に放出される為充分な配慮をしなればならない時期にきているものと考えます。 需要と供給の有る限り致し方ないと言ってみるだけでは将来に亘って禍根を残すのではないかと危惧しているのです。 幸いなことに良心的な、なめし工場では近年無公害ななめし技術の開発に懸命な努力をしているのが救いです。 この研究開発が成功し手に入る迄は私共の工房では、今迄通り努めてクロム皮革素材は避けてゆく方針に変わりありません。

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ひとり言・・・

ちょっと長くなりますが・・・私のひとり言を聞いて~

皮革製品は世界中で製品の大小を問わず極く自然の日常の中で愛用され発展し皮革文化とさえ言っても過言では無いとも思える産業の現況であると言う事実は認めざるを得ません。
皮革分野では、特徴的ファクターとして先ずファッション性、デザイン、質感、機能性、実用性、価格、と大きく分けられると思いますが、その製品を選ぶ時にはきっと貴方の感性 と皮革に関る経験と体験がその製品を選ばせるのではないかと推測しますが如何でしょうか....?
又は他人が持っていて素敵だったから、同じ物を持っていることで安心感やステータスを得た満足感も同時に得られたからでしょうか...!
選択された、どの方がどのファクターでお選び下さってもそれはそれで良いのだと思います。
只、正直申し上げてこの道一途に40数年の手造り皮革職人として自分に対し自戒を含め多少の批判の機会をお許し願えるならば幸甚に思い一言申し述べさせて戴きたいと存じます。
現在、私達の周りには日常的な暮らしの中で使用されている化学物質は20万種をはるかに超えると言われております。
逆説的に言えばこれらの化学物質の恩恵によって二十世紀の 近代文明の発展と繁栄がありそれを謳歌していたわけですがちょっと振り返ってみませんか。
一見豊かに見えた物質文明に囲まれた私達の生活の環境は徐々に蝕ばまれ崩壊しつつありますことは 周知の通りと思います。
化学物質の中には強い毒性を持っていたり未だ解明、研究、又、発表されずにおる物の数の汚染は加速度的に私達を蝕んでいることも勿論御存知でしょう。
近代文明発展の名の基に無数の化学化合物質は多岐に亘る産業界がその恩恵に浴し発展を遂げ必要不可分の物として密着し定着しつつ現在に至っているのが現況なのです。
大変残念な事に永年に亘って携わってきた私の皮革の中にも化学化合物質である重金属(三価クロム)で鞣された革は全世界において大半を占有しているとゆう現実であります。
が勿論生産者側でも対応策として濃度を変えてみたりとの工夫もされているのですが現況は需要と供給の原理がはたらきこのバランスが崩れることなく稼動しつづけているのです。
オランダ roma
ここで、危惧されることはバッグや衣料として使われている際は一部の人たちの悩んでいる(金属アレルギー)で顕在化しておるに留まりますが現況では濃度を調節して最大公約数的な値の中で更なる顕在化を防いでいるのです。
有害か無公害かの一線は本当に大丈夫なのでしょうか...?
創作、製作上での「コダワリ」の延長線上以前に私の「モノ造り」としての経験測を根拠とした上で危惧し頑固に革選びをして行く責任があるのだと考え極力拒否の姿勢を貫ぬくことも使命感 か義務感か又これも「コダワリ」なのか、杞憂で済めばいいのですが...!
兎に角、私達の生活に根付いた皮革製品達の行く末になりますと大概のものは押入れの中で忘れ去られているか、又、傷みがひどいとか、修理が出来ないとか、今は流行おくれとか、 様々な理由から廃棄処分にされるわけですが、その際土の中に埋めても物理的に重金属類は土の中に残ります。
では、焼却処分にしたらどうなるか...。今度は、(六価クロム)に化けて有害なガスを放出しますので十分な配慮と対応が不可欠になります。
いずれにせよ環境や動植物に良い筈がありません。人の健康を妨げる物質はとうざけるのが賢明なのだと思います。
あとは現実を真正面に捉え各個々人がいったい何を優先させるかを考え、選択するかは自由なのですから、これからは"こんな話もあったなぁ"と言う程度で結構だと思いますので心の片隅にでも 覚えていて頂けたら幸いと存じますし、少なくとも革の恩恵に授っている「造り手」にとって決して 忘れてしまわぬ様「生き物の命」と「革」に真正面に向き合い、真摯に、又謙虚に、再び「命を吹き込む」尊い作業を誇りに思い「イイ物造り」に研鑽と努力を傾注していきたいと思ってます。

皮革職人 ChiefMOO  拝




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